魅力の多い八ヶ岳赤岳登山道(美濃戸コース)

秋真っ盛りの好天に恵まれた日、八ヶ岳の赤岳に挑戦してみました。今回は美濃戸登山口からです。

 

まず出迎えてくれたのが、「普通車ならバンパーをする危険大」と噂される美濃戸口からの林道。「えっ、ここどうやって通過すればいいの?」と戸惑いながら、深いわだちを避けながらの慎重な走行に神経を使いました。

 

冷や汗をかきながら駐車場に到着すると、赤岳山荘で清らかな水をボトルに詰め登山スタートです。

往路に選んだ南沢コースは、岩がゴロゴロする歩きにくい道ですが、ゆるい傾斜が続き足元さえ気を付ければスイスイ進みます。

そして、このコースの十字路ともいえる行者小屋に着くと、赤岳や横岳の岸壁が目の前にそびえ、一気にテンションが上がります。

 

さあそこからは地蔵尾根コースに進路を取ると、勾配も一気に上がりはしごやくさりが連続します。そうしてぐんぐんと高度を上げていき稜線に出ると迎えてくれたのが、雲海に向こうに気高くそびえる霊峰富士。頂上に到達する前から、すでにここで感動は最高潮に達します。

天望荘の脇を抜け、いよいよ頂上直下の登攀に入りましたが、高度感のある鎖場が続き緊張を強いられます。しかし周りは絶景。「景色を見たい」「でも、足元に集中!」と落ち着かない気持ちで一歩一歩進めます。

 

雲一つない山頂での眺めはまさに筆舌に値しました。長野県の各名峰を一望にしつつ、普段はお目にかかれない東京や群馬の山々も良く見えます(名前が分からないのが少し残念ですが)。

 

下山コースに選んだ文三郎コースも、これまだ崖の様で「ここに登山コース設けるのは反則でしょう」とひとりツッコミを。

 

行者小屋からは、北沢コースに進路を取りゴールを目指します。

そしてこのコース、往路に選んだ南沢コースより距離はあるものの、赤岳鉱泉までの穏やかな道、そしてそこからは渓流沿いの涼しげなコースと、また違った魅力のある登山道でした。

 

さあ登山口まで無事到着しても、まだ気を抜くことはできません。

そう、美濃戸口までの恐怖の林道が待ち構えているのです。

往路にも増してバンパーをこする危険は高く、山頂直下の鎖場よりも緊張したのではないか?と思うほどのプレッシャーがかかる道のりでした。

 

さてこのように、起点と山頂を往復するピストンコースであるにも関わらず、全く違う道を辿ることが出来る美濃戸から赤岳の登山道は、沢山の魅力に富んだ素晴らしい登山道でした(車のバンパーが無事ならば)。

季節を変えてまた行ってみたい(次回は誰かの車で)。

 

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